【関西の商業賃貸契約】契約解除時の違約金に要注意！～関西特有の慣習も踏まえて～

2025年11月3日

不動産業を営む中で、店舗や事務所などの商業賃貸契約を結ぶ機会は多くあります。特に関西エリアでは、契約解除時の「違約金」に関する取り決めが、他地域と比べてやや厳格な傾向があることをご存知でしょうか？
※商業賃貸契約についての説明は下にスクロール

今回は、関西で事業用物件を借りる際に注意すべき「契約解除時の違約金」について、実務的な視点と地域性を踏まえて解説します。

■ 違約金とは？契約解除時に発生する可能性のある費用

違約金とは、契約期間中に借主が一方的に契約を解除した場合、貸主に対して支払う金銭のことです。これは、貸主が次のテナントを見つけるまでの空室期間の損失を補填する目的で設定されます。

一般的な違約金の設定例：

月額賃料の6ヶ月～12ヶ月分（解約時の賃貸期間により金額が変わる場合もある）
残存期間の賃料相当額
建築協力金や保証金の放棄

■ 関西ならではの注意点

関西エリアでは、以下のような慣習や傾向が見られます。

① 長期契約が多く、違約金も高額になりがち

関西では、商業施設や路面店の契約期間が「10年～15年」と長期に設定されることが多く、違約金も「残存期間の賃料全額」など高額になるケースがあります。
※上記の説明は定期借家のお話ですが、普通借家（1～3年）の場合でも違約金が発生することがありますので、契約前にしっかりと確認しておきましょう。

② 建築協力金の放棄条項に注意

関西では、貸主が建物を新築してテナントに貸すケースも多く、その際に「建築協力金」や「保証金の全額放棄」を違約金として定める契約が見られます。これは、借主が早期に撤退した場合に大きな負担となる可能性があります。

③ 公序良俗違反で無効になるケースも

裁判例では、違約金が「賃料の24ヶ月分」など過度に高額な場合、公序良俗に反するとして無効と判断された事例もあります。

■ 契約時に確認すべきポイント

契約書を交わす前に、以下の点を必ず確認しましょう。

中途解約条項の有無と内容
違約金の金額と算定方法
解約予告期間（関西では3～6ヶ月が一般的）
建築協力金や保証金の扱い
消費者契約法や民法による制限の有無

■ トラブルを避けるための対策

契約前に交渉する
違約金が高額すぎる場合は、契約前に交渉して減額や条件変更を求めましょう。
契約書を専門家にチェックしてもらう
弁護士や不動産専門家に契約書を確認してもらうことで、リスクを事前に把握できます。
早期解約の可能性を想定しておく
事業計画に柔軟性を持たせ、万が一の撤退時に備えておくことも重要です。

■ まとめ

関西エリアでの商業賃貸契約は、地域性や慣習により違約金の設定が厳しくなる傾向があります。契約解除時のリスクを最小限に抑えるためにも、契約時の確認と交渉は欠かせません。
不動産業者としては、借主にとって不利な契約にならないよう、親切丁寧な説明とサポートを心がけたいものです。

🏢 商業賃貸契約とは？

商業活動（販売・サービス提供）を目的とした賃貸契約です。
主に店舗や飲食店、美容室、物販店などが対象になります。

特徴：

集客性や立地が重視される
看板設置や営業時間の制限などが契約に含まれる
業種制限がある場合も多い
内装・造作に関する取り決めが重要
競業避止条項が設けられることもある

🧑‍💼 事業用賃貸契約とは？

事業活動全般（オフィス・倉庫・工場など）を目的とした賃貸契約です。
商業活動に限らず、事務所利用やバックヤード業務なども含まれます。

特徴：

静かな環境や設備の充実が重視される
法人登記が可能な物件が多い
契約自由度が高く、特約が重視される
定期借家契約が多く、更新拒絶がしやすい
消費税が課税されるケースが多い

🔍 両者の違いを表で比較

項目	商業賃貸契約	事業用賃貸契約
利用目的	店舗・販売・サービス提供	オフィス・倉庫・工場など
契約形態	定期借家契約が多い	定期借家契約が多い
消費税	課税対象	課税対象
特約	業種制限・営業時間・看板設置など	用途制限・法人登記・設備負担など
保証金・敷金	高額（6〜12ヶ月分など）	高額（業種により変動）
原状回復	内装造作の撤去義務が明記される	設備投資の範囲が契約で定められる

✅ 実務上の注意点

契約書の読み込みが重要：特約の内容がトラブル回避の鍵になります。
業種に応じた物件選び：飲食店なら排煙設備、オフィスなら通信環境など。
契約解除時の違約金：商業賃貸の方が高額になる傾向があります。
用途変更の制限：事業用契約でも、業種変更には貸主の承諾が必要な場合があります。

気になる項目があれば、さらに詳しくアドバイスできますよ！
たとえば「どこに聞けばいいの？」とか「何から始めればいいの？」といった具体的な悩みがあれば、そこに合わせて対策を一緒に考えます！
当社HPもしくはぶけなび関西、どちらからでもお問い合わせください。

【ぶけなび関西】
　https://bukenavi.jp/kansai
【飲食買取りJP】
　https://kaitoritaiyo.jp/
【ぶけなびplus】
　https://bukenavi.jp/bukenaviplus/
【コストカットマン】
　株式会社コストカットマン