知らないと開業延期も!?飲食店営業許可の取得方法と、不動産契約前の落とし穴

※本記事の内容は一般的な事例に基づく解説であり、実際の物件や各自治体での許可取得を確約するものではありません。

「理想の物件が見つかったし、内装のデザインも決まった!あとはオープンを待つだけ!」
……ちょっと待ってください。飲食店を開くには、切っても切れない最も重要な手続きがあります。
それが保健所から取得する「飲食店営業許可」です。
多くの開業をお手伝いしてきた中で、「内装工事が終わったのに、保健所の検査に通らずオープンが1ヶ月遅れた」「許可が下りるか分からない状態で契約してしまい、後戻りできなくなった」という、本当に肝を冷やすトラブルを何度も見てきました。
今回は、2021年の法改正(HACCPの制度化や営業許可制度の見直し)を踏まえた最新の営業許可の取得方法、かかる費用、そして「賃貸借契約前に絶対チェックすべき注意点」を関西ならではの視点も交えて分かりやすく解説します!

目次

1. 飲食店営業許可の取得に必要な「2つの絶対条件」

飲食店営業許可を取得するには、大きく分けて「人の要件」「施設の要件」の2つをクリアする必要があります。どちらか一方でも欠けると許可は下りません。

① 人の要件:食品衛生責任者の配置

店舗ごとに必ず1名、「食品衛生責任者」を置く必要があります。

  • 調理師、栄養士などの資格を持っている方は、そのまま責任者になれます。
  • 資格がない場合でも、各都道府県の食品衛生協会が実施する「食品衛生責任者養成講習会」(1日講習)を受講すれば、誰でも取得可能です。
  • ※「オープンまでに講習の予約が取れない!」というケースが多発しているため、物件探しと並行して早めに受講しておくことを強くおすすめします。

② 施設の要件:保健所が定める施設基準のクリア

これが不動産選びや内装工事に直結する、最もトラブルが起きやすいポイントです。

  • 手洗い施設の設置: 厨房内とトイレ内に、それぞれ適切なサイズの手洗い器(消毒液固定設備付き)が必要です。
  • シンク(洗浄槽)の数: 原則として「2槽以上(2コ以上の流し)」が必要です。
  • 扉付きの食器棚: ほこりや害虫を防ぐため、食器類は扉付きの棚に保管せねばなりません。
  • 床・壁の材質: 厨房の床は耐水性があり、掃除しやすい材質(タイルやウレタン塗装など)である必要があります。
  • 区画の明確化: 客席と厨房が完全に区切られている(扉やスイングドア、カウンターの仕切りなど)必要があります。

2. 営業許可取得までのスケジュールと費用の目安

物件が決まってから許可が下りるまでの一般的な流れと、想定されるコストは以下の通りです。

営業許可取得の流れ(タイムライン)

  1. 事前相談(着工前): 内装工事が始まる前に、図面を持って保健所に相談に行きます。
  2. 申請書の提出(工事完了の1週間〜10日前): 必要書類と申請手数料を添えて提出します。
  3. 施設の実地検査: 保健所の食品衛生監視員が実際に店舗へ来て、図面通りか、基準を満たしているか検査します。
  4. 営業許可書の交付: 検査に合格後、数日〜1週間程度で許可書が交付され、営業可能になります。

かかる費用の目安

  • 保健所への申請手数料: 約15,000円〜19,000円程度(自治体や業態によって異なります)
  • 食品衛生責任者の講習受講料: 約10,000円前後
  • 内装・設備是正費用: 数万〜数十万円以上(基準を満たしていない場合の手直し費用)

3. 賃貸借契約の前に!「失敗しない物件選び」4つのポイント

ここからが本音のアドバイスです。
物件の賃貸借契約書に印鑑を押す前に、以下のポイントを必ず確認してください。

① 「居抜き物件」でもそのまま許可が下りるとは限らない

「前も飲食店だったから、そのまま営業許可が取れるだろう」という思い込みは非常に危険です。

  • 前オーナーが許可を取った後に無断で改装しているケース。
  • 前オーナーの取得時よりも、現在の法基準が厳しくなっているケース(既存不適格)。
    居抜きであっても、必ず現況の図面を持って事前に保健所に確認を取りましょう。

② 「水回り」の移設・増設コストを甘く見ない

「ここに手洗い器を新しくつけよう」と思っても、床下の配管(給排水)の状況によっては、床をすべて壊して大がかりな工事が必要になり、数十万円の追加費用が発生することがあります。特にオフィス仕様や物販店からのコンバージョン(用途変更)物件は注意が必要です。

③ 給湯器の容量とパワー

保健所の検査では「お湯がしっかり出るか」もチェックされます。容量の小さい給湯器や、家庭用の設備だと、厨房と手洗いの両方で十分なお湯が出ず、検査に落ちる可能性があります。

④ 契約書に「解約・特約」の交渉余地があるか

万が一、物件の構造上の問題でどうやっても飲食店営業許可が下りないことが判明した場合、契約後だと手付金や礼金が戻ってこないリスクがあります。可能であれば、「飲食店営業許可が下りない場合は、本契約を無条件で解除できる」といった特約(ローン特約のようなもの)を入れられないか、事前に不動産業者を通じてオーナー側と交渉してみる価値はあります。

4. 自治体による違いと、関西圏ならではの「ちょっとしたアドバイス」

営業許可の根本的なルールは厚生労働省が定めていますが、実は「手洗い器のサイズ(L5型以上など)」や「2槽シンクのサイズ規定」「厨房と客席の仕切りの高さ」といった細かい運用ルールは、各自治体(保健所)の条例や指導マニュアルに委ねられています。

[大阪エリア]大阪市内の「特区」や独自の指導に注意

大阪市(北区、中央区、西区など)の保健所は、非常に多くの飲食店申請を扱っているため、手続き自体はシステマチックです。しかしその分、基準書の文言通りに厳格にチェックされる傾向があります。「これくらい大目に見てくれるだろう」は通用しないと考え、事前に「大阪市轄内の手洗い器の推奨サイズ」などを内装業者と共有しておくことが大切です。

[京都エリア]歴史的建造物や町家カフェの「区画」の壁

京都市内で町家を改装したカフェなどを開く場合、デザイン性を重視するあまり「厨房と客席の境目をなくして地続きにしたい」という要望をよく耳にします。しかし、京都市の保健所でも「衛生上の区画(スイングドアや一定の高さのカウンター)」は厳しく求められます。雰囲気を壊さずに保健所の基準をクリアするためのノウハウを持った、地元の内装業者を選ぶことが成功への近道です。

💡 関西のプロが教える「保健所へのアプローチ術」

関西の保健所の担当者さんは、基本的には「ええお店にしてくださいね」というスタンスで親身になってくれます。 ただし、「工事が終わってから、事後報告のように申請に行く」のだけは絶対にやめてください。

アドバイス: デザイン会社から「平面図(レイアウト案)」をもらった段階(まだ壁も床も作っていない状態)で、一度保健所の窓口に行きましょう。 **「今度この物件でこういう店をやろう思てまして、図面段階で一度見ていただけますか?」**と相談すれば、もし基準に合わない場所があっても、図面上で「ここをこう直してね」と言われるだけで済みます。実工事が入る前なら、修正コストはほぼゼロです。

まとめ

飲食店の営業許可は、「お店を開くためのゴール」ではなく「スタートライン」です。

  1. 「食品衛生責任者」の講習は、物件が決まる前でも早めに受けておく
  2. 居抜き物件であっても、そのまま許可が引き継げると思わず事前確認する
  3. 内装工事が始まる前の「図面段階」で、必ず管轄の保健所に事前相談に行く

私たち不動産業者も、お客様のやりたい業態がその物件でスムーズに実現できるよう、水回りや規約の面からサポートいたします。事前の準備をしっかり行い、トラブルのない一発合格を目指して、素敵なお店のオープンを迎えてくださいね!

※本記事に記載されている施設基準や手数料等は一般的な一例です。自治体や法改正のタイミングによって異なる場合がありますので、必ず事前に開業予定地の管轄保健所へご確認ください。

気になる項目があれば、さらに詳しくアドバイスできますよ!
たとえば「どこに聞けばいいの?」とか「何から始めればいいの?」といった具体的な悩みがあれば、そこに合わせて対策を一緒に考えます!
当社HPもしくはぶけなび関西、どちらからでもお問い合わせください。

【ぶけなび関西】
 https://bukenavi.jp/kansai
【飲食買取りJP】
 https://kaitoritaiyo.jp/
【ぶけなびplus】
 https://bukenavi.jp/bukenaviplus/
【コストカットマン】
 株式会社コストカットマン

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